☆しごとの英語術☆

 

このところ、日本語と英語の間をゆらゆらとしています。

古代からえんえんと紡がれてきた日本語の優美な歴史に

涙がでるほど感動したかと思えば、

びしばしと相手を牽制し、戦わずして勝つといった頭脳戦的な

英語のテクニックにわくわくしたり。

 

先日はある文章の翻訳のチェックを頼まれて、外国語をいきいきとした日本語へと

変換する作業の面白さに今更ながら目ざめてしまいました。

村岡花子さんの気持ちがすこしわかった気がする・・・

 

近年、小学生からの早期英語教育の是非が議論されてきました。

わたし個人としては、小学生にはまず国語の習得をきっちりさせてほしいと

思っています。

 

「言葉にできないことはない」という西洋人に対して、「察する」とか

「以心伝心」などの日本の伝統は、グローバル化の波のなかで

逆に大きな強みとなってくるはずです。

欧米人ではおよそ思いもつかないことを発想できるのも

日本語を使っているからこそですから、ボーダーレスのこの時代、

繊細な感性言語である母国語をまず大事にしなくては

世界に太刀打ちできないのではないでしょうか?

 

今の時代、ビジネスマンにとって英語は必須となっていますが、

大切なのは、適切なときに適切に英語を取り出せる能力であって、

流暢でカンペキな英語を話すことではないですよね。

 

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この本の著者 平松庚三さんによればTOEIC600点クラスで充分であるとのこと。

英検でいえば2、3級の中学~高校英語。

英語ができてもバカはバカって、以前成毛眞さんが本をお書きになったけれど

流暢に話せても仕事の成果が上がらないようではお話になりません。

 

主人の書斎から拝借してきて何気なく読み始めたら、予想外に面白くて

ぐいぐい引き込まれてしまいましたが、

無駄のないシンプルな英語を追っていると、ふだん情緒にどっぷり

つかった読書の多いわたしには良い頭の掃除になりましたし、

著者平松さんの波乱万丈な仕事歴や、ソニーの盛田さんのお人柄がにじみ出る

エピソードなど、小気味よさのなかにも旨味がぎっしりとつまっていて

読み応え抜群でした。

 

薄っぺらなペラペラ英語ではとうてい活躍などできない。

英語が自己実現!みたいになってしまっているのはおかしいし、

肝心要の中身がスッカラカンではどうしようもない・・・

そんなことを考えました。どんな道へ進もうと 欠かせないのは人間力で、

海外のツワモノやクセモノに負けないためにも、情熱や、頭の良さこそ大事だな~と。

 

むかし私の上司が、

「 外国語のうまい人材がほしいのではない。日本語でおもしろい話のできない者が

海外にいって客をひきつけることなどできない。英語など後からどうにでもなる。」

と言っていたのを思い出しました。

 

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