京都人の密かな愉しみ
ところどころ美しく織りなすドラマ仕立てになって、京都の知られざる実情を
垣間見られるNHKザ・プレミアムのこの番組、ステキでした~
「京都はこわいよ~」
会社にいたころ同じ部内に生粋の京都人のおじさまがいました。
3代住んでも京都人と呼ばれない人も多いそうですが、
公家の血統で京都の一等地にお邸を構える、いかにも “まろ!” って雰囲気の
その人が語る、京都でこう言われたらこういう意味よ~
っていう暗黙のルールの数々が、珍しくて面白くて。
京都にお嫁にいくお友達におしえてあげたら震えあがってたっけ 笑
この番組のなかにも紹介されていましたが、
有名な「ぶぶ漬け」のエピソードなども実はこんな背景があったんだ~と納得。
こういう他者への思い遣りは、日本人なら多かれ少なかれ持っていて、
どこの地域でも形を変えて存在する美学かもしれません。
「察する」 「空気を読む」
そんな能力にたける都びと。
そのセンスのない野暮な人は、やっぱり勘弁してほしいし
カッコ悪いというのがこの国の常識。
とくに千年のみやこ京都では、この美意識が磨きに磨き上げられているのですね
明治以降の近代化、さらには現在のグローバルな波をうけ、
言葉で全てを表現しない日本のコミュニケーションは摩訶不思議に受取られがち。
でもこれこそが人の到達すべき究極の洗練なのかもしれません。
目に見えないものから多くを感じとってきた日本。
最近はなんでも言葉で理詰めにすることが増えましたが
最終的に人間にとって頼りになるのは情緒力のはず。
この番組をみていて、京都ってステキ、日本っていいなと思いました
番組内でもうひとつ感動したのが、「洗い屋」といわれる職人さんの家庭ドラマ。
家業を継ぐ決心にいたる心の動きを、しみじみと美しく描いていました。
熟考のうえ、東京で就職する夢から離れ、跡をつぐことを決めた一人息子。
京都ではそれぞれが網の目のように絶妙につながっていて
複雑なソサイアティーを形成しています。
どこかが廃業して網がほころんだら、あちこち崩れてしまいかねない。
その均衡を支えている人々によって、日本全体も支えられていることがわかります。
自由を声高に叫ぶことは簡単ですが、個を超え
まわりに難儀をかけない生き様は立派で貴いこと。
誰もが好きに生きるべきだと言う人だって、こうした人々の無限の恩恵を受けています。
かつて日本には、権利権利と主張するのはさもしい!という風潮があったそうですね。
これは宇宙の運行のなかにわが身をおく東洋的世界観で、ヨーロッパなどとは逆の視点。
どっちがいいとか悪いとかではないですけど、こんなスピリットの国柄が私は好きです。
志高く生きる日本中の農家さんとか職人さんとか寺社仏閣などなどの後継者さん。
数え切れない人々に生かされている自分を思いありがたいな・・・と思った番組でした。
今週末再放送されるそうなので、興味のある方はご覧になってみてください
番組ではお料理コーナーがあって、担当は憧れの大原千鶴さん
テキパキ。
でも、ほんわか可愛い。
そして大人の余裕がステキすぎるー
お料理本を買いました↓↓
奥京都の美山荘のお嬢さんである大原さんは、自然というものをよくご存知で、
食材への尊重が美味しいお料理につながることがわかる一冊でしたよ。
少ない調味料で作るレシピが多いのもいいし、盛り付けの法則も参考になりました。
お料理って、ヘルシーで美味しいってだけじゃなくて
美しく凛とした盛り付けとか器使いも
ココロやカラダにとってとても大事なんですよね