☆オシャレな美術展☆

 

美術館・・・

そこは物語世界へ旅する場所

今回も絵画世界へ すっぽりと入りこむ旅に

三菱一号館美術館 オルセーのナビ派展

 

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はじめ またオルセーなの?と思いましたが

今回は印象派ではなくナビ派です。

ナビ派を日本で本格的に紹介する最初の展覧会なんですって。

昔からゴーギャンの絵をぐーっと近づいて観ると

ココロがすーっと 清涼な感じになって。

何故なのかよくわからないのだけれど。

今回ナビ派にヒントをもらった気がします。

 

「フラットな色の面」

「目に見えないものを描く内面性」

こう書いてみると、その特徴たるや日本美術そのものでしょうか?

しかし彼らはそれらをきちんと咀嚼し

自分達の風土や思想の中に 美しく浮かびあがらせているのです

 

西洋絵画の歴史というのは驚くほど決まりごとが多く、

また自然を描いても 呼吸が止まっているかのように

見えるものも少なくありません。

中学のころ理科で習ったのを覚えていますか?

植物は細胞壁があるから動けない みたいなこと。

わたしね、そのとき、もし自分の身体に細胞壁があったら

怖すぎるーって ゾッとしたんですよ

で 今でも 西洋の絵とかお庭なんかを見ると、

その「細胞壁」ってものをよく連想しちゃうんです。

なんて自由がきかないんだろうって・・・

西洋は自由や平等をわざわざ明文化して目指すくらい好きですが、

実際はたいそう不自由な思考にしばられています。

絵画では、その枠組みが徐々に解き放たれてきた19世紀末、

ナビ派の絵は、画家とそれぞれの鑑賞者との間に

神秘やロマンを生みだす繊細さにあふれていました。

 

ドニやボナールのささやきといったら 素敵です

以前この美術館で企画展があった、ヴァロットンもよかったです。

ふたたび再会した印象は、数年前よりも深かった。

この人のもつ不穏さとか可笑しみって、妙に目が離せない。

ヴュイヤールの「ベッドにて」も好きでした

修道院のお菓子や雑貨にときめく私には

このカワイイ聖性 惹かれます♪

ヴュイヤールの敬虔な信仰が 宗教を超え

ほっこり沁みこむ幸福な作品ですね。

 

そんな日常のなかにある

神秘性だったり 愛らしさだったり

可笑しさだったり 不穏さだったり

 

ナビ派のひとびとが、遠い世界をモチーフにするのではなく、

身近なことに特別をしのばせたその視点と

いま私たちがブログなどSNSで切りとる世界とは

ちょっと似ています。

もともと 日常を美々しく切りとって芸術にまで昇華させたのは

平安時代の日本女性が世界に先駆けてしたこと。

西洋の画家はその視点をたとえば浮世絵から学んだかもしれない。

でもあの時代の日本の風俗とは、着るものも、生活スタイルも

まったく違っていますから

逆にナビ派の世界に親しみをおぼえてしまうのかも。

 

近年、国際的に評価が高まっているというナビ派芸術を

三菱一号館というクラシカルな建物の中で鑑賞できたのは

優雅にオシャレなことでした。

今回もこの美術館のセンスに感謝いたします

 

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