☆出逢いなおしの美術展♪☆

 

ことし一番のビッグネーム展覧会

東京国立博物館 運慶展

 

たいへんな人出で連日入場規制ですね

でも再び生きている間にこれだけのものは開催されないでしょうから

間近で拝観でき、とてもありがたい経験でした。

 

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運慶は日本最高の、いえ世界最高の彫刻家かもしれません。

ふりかえると今年も極上の芸術品に幾度出逢ったことでしょう。

 

ティツィアーノを見たとき、歴史にいきなり巨人が登場したと驚き、

長次郎の樂茶碗に比類なき至高、「宇宙」をみて立ちすくみました。

 

そしてこの運慶。

この人もまたいきなり登場した巨匠でした。

全人類に対する命題ともいうべき仏像たち。

世界的に彫刻家といえばミケランジェロかもしれないけれど

お坊さんでもある仏師の運慶は

さらなる果てしない世界を思い巡らせてくれます。

石と木の違いもありますから、簡単に比較なんてできませんが。

 

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なつかしいです・・・・・!

わたしが、運慶仏に抱いた感想。

日本彫像彫刻の最高傑作といわれる無著菩薩立像とか

東大寺の重源上人坐像とか

日本史の教科書に大きく写真がのっていた記憶があります。

みなさまも懐かしく感じませんか?

鎌倉期の彫刻は平安までのものより深みを増して

リアルでいっそうの無常観を湛えています。

そのなんともいえない哀切さは、当時16歳だったわたしにも

映像を通してしっかり伝わっていました・・・・・

 

育ち盛りの10代と勝るとも劣らない成長期が40代であると感じています。

40代に入ってから1年1年新しい扉を開いたように

いろんなものが見えてきました。

扉をひとつ開くたびにひとつ覚醒する。

夢から覚めるように・・・

 

この世の中は精巧にできた夢であって、

どれだけ惑わされないか、生涯をかけて試されているような気がします。

年をとってはじめて生きる意味をありがたく感じられる。

だから最近は年を「とる」って言うようになりました。

以前は年をとるってネガティブに感じて、「重ねる」って言っていたんだけれど!

 

あと100年もすれば世界の美術品の価値は

がらりと大きな変化をみせていることでしょうね。

ですから運慶の人生もまだまだ未完です。

話題になった2008年のNYのオークションで

日本にとどまってくれた、あの真如苑の大日如来も麗しいお姿でした。

海外に流出しなくて本当によかったです!

 

エレガントって、どういう人のことだとみなさんは思いますか?

わたしはよく仏像にそれを感じます

もともと「品」という言葉は仏教用語から来ているくらいで、

「上品」さは優れた仏像彫刻にこそ見いだせるのではないでしょうか。

 

今回、思いのほか神奈川県内に運慶があるというのも驚きでした。

浄楽寺の観音菩薩、勢至菩薩のエレガントなことといったら!

茎の長い蓮の花を手にもって、衣をなびかせていらっしゃるご様子を

間近にしますと、これ以上の気品などあるかしらと思います。

ヨーロッパの薔薇を手にした貴婦人の肖像画など問題ではありませんわ。

 

運慶ではありませんが満願寺の観音さまも凛々しく美しかったです。

こちらは蓮のつぼみを手にしてらっしゃって

これから咲きますよ・・・

という優しさを秘めているようでステキでした

 

ほかにもお不動さまや、お地蔵さまなど見たこともないほど気高い仏像が

ずらり。六波羅蜜寺のお地蔵様があまりに尊くて・・・。

 

小さいころ怖い顔した仏像は苦手だったのに、いまは

迷いを焼き尽くし悪を縛り上げるお不動さまが大好き

心身の大掃除をしていただいたようで、帰り道は体が軽かったです♪

・・・って語りだしたらきりがないのでこの辺で。

 

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ということで運慶学園を卒業してまいりました↑↑↑

ネットの運慶学園の「入試」を受けてみたんだけれど

わたし特待生でした!

特待生ってなんだかいい気分 笑

 

むかしから仏像はわりと好きだけれど

こういう同好会みたいな大学のサークルみたいなのって愉しい。

今後こうした繋がりが増えたら面白いな~って

なんだかワクワクしてきちゃいました♪

 

芸術の秋 趣味の美術館巡り

ことしはどれだけ楽しめるかな 遠出もしよっかな

みなさまもステキな実りの秋をお過ごしくださいませ