☆美文字協奏曲♪☆

 

ふかい1年を締めくくるのにいい美術展でした。

 

書の流儀Ⅱ 丸の内 出光美術館

 

美術館内を歩くうちに湧きあがった感覚は

こころが作品に添っていくこと。

 

ときに華やいだり

ときに和んだり

 

人の書いた文字に触れることが

これほどまでに人の心に影響を与えるのだと気づきました。

 

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普段あたり前に使っている漢字や平がなですが

最近になってとてもありがたいものに思えてきました。

 

長いこと西洋では文字と絵は別物でしたが

東洋ではいにしえより書画が一体となって

芸術世界を謳いあげてきましたね。

 

さらにわが国ではふしぎな曲線を描く

絵のような仮名も生まれました。

 

七五調や五七調が日本人の心になじむリズムであるとすれば

かな文字が奏でる旋律もまた

私たちの心を調えてくれるもの・・と感じられます。

 

それにしてもなんて麗しいのでしょう。

とくにときめいたのは王朝の壮麗な仮名です。

小野道風や紀貫之や藤原行成。

藤原公任。

 

国風文化の絶頂にあった彼らの筆跡は高貴に華やぎ

ほんとうにあてなるもの・・・・・

 

書ばかりではありません。

料紙の雅びな模様や色彩、そこに舞うように躍動する筆致。

 

散らされた文字は桜の花びらが

あたかも風にしたがうように優美です。

 

かな文字というのは自然界の景観から見いだした

感性が反映されたといいますが

ほんとうに萩や藤がゆれているよう・・・

 

透きとおる水のせせらぎや

おぼろげな月夜の情景と

同じようにわたしの心をふるわせました。

 

また今年は本阿弥光悦に幾度も出会いなおす年でしたが

陶器だけでなく書もまたセンセーショナルで。

 

光悦の書はさすがにアーティストだなあと感じられるもので

紙や絵と呼応し

書かれている言葉により

文字の線の太さもたくみに変化していって

ひとつの交響的世界が浮かびあがっていました。

 

光悦の書を見ていると、文字は書であって絵画。

字でかいた絵といった感じ。

 

漢字ももともと象形ですから

漢字と仮名と絵がきれいに調和し、心がやすまります・・ ゆったりと。

 

話は変わりますが、古事記の序文の太安万侶の言葉が

わたしにとってとてもゆかしいものなんです。

 

漢字では古来からの日本のこころが


どうしても表しきれない・・・・

 

というもどかしさ。

これをはじめて読んだとき

私たちの先祖はなんと感性が繊細であったのかと思い

先人たちをいとおしく思いました。

やがてその想いが、みずからの美意識に叶った仮名を生んだわけですが。

 

世界の他の文字がどうやって生まれたのかはよく知りません。

でも自然界を眺めて暮らすうちに生まれたかな文字が

綿々と書きつづられる字姿にふれて

風土と一体になった人間のあるべき姿を見た気がしました。

 

書の歴史については、日本人のくせに知らないことばかりで

勉強してみたいことがいっぱい出来てしまいました。

そして 夢がまたひとつ!

綺麗な料紙に かなをさらさら書いてみたいなって♡

 

そんなときめきを胸に

美術館をあとにすると・・・・・

 

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そとの街はイルミネーションに煌いていました!

星のように瞬く丸の内仲通り。

光の道をすすみながら感動そのまま 書について語り合うひととき♡

今回の美術展では、出光美術館さんの解説が

とても詩的で充たされたんですよ♡

とても良い機会をいただきまして

ありがとうございました