サントリー美術館の KAN’EI ELEGANCEへ
寛永の「雅」ということですが・・・
ほんとうに・・・
この時代のこの文化ほどエレガンスと
呼ぶにふさわしいものは
世界中探してもめったにお目にかかれないような♡
真に洗練されたものは
時代が移り変わっても、いつもモダンです。
ポスターにある野々村仁清の白釉円孔透鉢。
現代的に新しく そしてキレイ。
いちばん最初の展示品でしたが、これから先へはなかなか
進めないほど佇んでしまいました。
写真でみるよりずっと冴えて見えました。
わたし、日本史はわりと勉強したほうです。
といっても受験勉強時代の知識がほとんどですが。
でも30過ぎたあたりから高校時代の猛勉強が人生に役立ちはじめました
頭の中に知識の地図があるということ。
くりかえし暗記したから今も多くを覚えていて
人名や作品を漢字ですらすら書ける。
これはわたしの財産になってきています。
たとえば美術品を眺める際もこの地図があると
この作品はあの時代だとか
あんな歴史的事件があったころだとか
引き出しをすぐに開けられて新知識が定着しやすいんです。
音楽家が新しいメロディーなんてそうそうない!と言うくらい
新しいアイデアなんて、なかなか生まれないのが現実。
であるとすれば、頭に入れてある知識を縦横無尽に
ミックスしたり化学変化を起こさせたり
はたまた先人の経験を現代に活かしたりできるのも
きちんと覚えていればこそ。
暗記というものは、おろそかにはできませんね。
勉強時間に山川の図録や史料集を眺めることは
受験時代の楽しみでした。
おもえばあのころから美術史が好きだったようです♡
今回の図録の熊倉功夫先生の論文を拝読して
文化史にますます興味津々になってしまいました。
わたしの専攻は歴史や哲学ではありませんが
美術史も研究してみたかった分野のひとつ。
人の営みがゆかしく感じられますし
文化史って「先見性」や「政治的センス」が養えそうですもの!
女房三十六歌仙歌合画帖というのがありました。
将軍家に嫁がれた宮家の姫さまがお持ちだったもので、
画帖の上で左右にわかれて架空の歌合せをさせているというもの。
まあなんて優雅なお遊びでしょうね
わたしがもしお金持ちだったら こんなふうに
当代一流の画家に女房の絵姿を描いていただいて
当代一流の書家に和歌を書いていただいて
それを眺めて暮らしたいわ♡なんて妄想をいだいてしまった
むかし『
』という小説を読みました。徳川家の姫が皇室に嫁がれたときのお話です。
たいへんなご苦労があったようです。
それはそうでしょうね・・・・・
でも、このプリンセスは存在感あるお方でした。
ファッションリーダーでもありましたね。
寛永文化は彼女の夫、後水尾院を中心とした文化です。
桃山文化までは大名などの支配階級が主体でしたが
このころになると文化の主役が上は宮廷から
下は民間にまで広がってまいります。
寛永文化のにない手は身分にかかわらず
高い教養を共有していた人々です。
天皇家、宮廷と、幕府、公家、武家、町衆と
茶の湯と、絵画と、文学と、書と・・・。
それらが一体となり、優美で「きれい」極まる文化を結実させた
こんな華やかな歴史絵巻を
時代の面からも 作品の面からも
感慨深くながめさせていただきました。
人間が織りなしていく展開って、なんて素敵なんでしょう。
この展覧会を通して、人間というのは風土や人びととの相関関係の中で
「生かされているのだ」ということを実感いたしました。
うーん はやくも私の今年いちばんの展覧会になりそう♡
優美で上品なものがお好きな方 おすすめです!
この度もおしまいはサントリー美術館併設カフェより♡
この麩あんみつに叶うものなし!
加賀棒茶も香ばしい!
テーブルにある図録を眺めながら芸術ダンギと甘味
これもやめられませ~~~ん