☆KAN’EI ELEGANCE☆

 

サントリー美術館の KAN’EI ELEGANCEへ

寛永の「雅」ということですが・・・

ほんとうに・・・

この時代のこの文化ほどエレガンスと

呼ぶにふさわしいものは

世界中探してもめったにお目にかかれないような♡

真に洗練されたものは

時代が移り変わっても、いつもモダンです。

 

IMG_2732s-

 

ポスターにある野々村仁清の白釉円孔透鉢。

現代的に新しく そしてキレイ。

いちばん最初の展示品でしたが、これから先へはなかなか

進めないほど佇んでしまいました。

写真でみるよりずっと冴えて見えました。

 

わたし、日本史はわりと勉強したほうです。

といっても受験勉強時代の知識がほとんどですが。

でも30過ぎたあたりから高校時代の猛勉強が人生に役立ちはじめました

 

頭の中に知識の地図があるということ。

くりかえし暗記したから今も多くを覚えていて

人名や作品を漢字ですらすら書ける。

これはわたしの財産になってきています。

たとえば美術品を眺める際もこの地図があると

この作品はあの時代だとか

あんな歴史的事件があったころだとか

引き出しをすぐに開けられて新知識が定着しやすいんです。

 

音楽家が新しいメロディーなんてそうそうない!と言うくらい

新しいアイデアなんて、なかなか生まれないのが現実。

であるとすれば、頭に入れてある知識を縦横無尽に

ミックスしたり化学変化を起こさせたり

はたまた先人の経験を現代に活かしたりできるのも

きちんと覚えていればこそ。

暗記というものは、おろそかにはできませんね。

 

勉強時間に山川の図録や史料集を眺めることは

受験時代の楽しみでした。

おもえばあのころから美術史が好きだったようです♡

 

今回の図録の熊倉功夫先生の論文を拝読して

文化史にますます興味津々になってしまいました。

わたしの専攻は歴史や哲学ではありませんが

美術史も研究してみたかった分野のひとつ。

人の営みがゆかしく感じられますし

文化史って「先見性」や「政治的センス」が養えそうですもの!

 

IMG_2781s-

 

女房三十六歌仙歌合画帖というのがありました。

将軍家に嫁がれた宮家の姫さまがお持ちだったもので、

画帖の上で左右にわかれて架空の歌合せをさせているというもの。

 

まあなんて優雅なお遊びでしょうね

わたしがもしお金持ちだったら こんなふうに

当代一流の画家に女房の絵姿を描いていただいて

当代一流の書家に和歌を書いていただいて

それを眺めて暮らしたいわ♡なんて妄想をいだいてしまった

 

むかし『東福門院和子の涙』という小説を読みました。

徳川家の姫が皇室に嫁がれたときのお話です。

たいへんなご苦労があったようです。

それはそうでしょうね・・・・・

でも、このプリンセスは存在感あるお方でした。

ファッションリーダーでもありましたね。

 

寛永文化は彼女の夫、後水尾院を中心とした文化です。

桃山文化までは大名などの支配階級が主体でしたが

このころになると文化の主役が上は宮廷から

下は民間にまで広がってまいります。

 

寛永文化のにない手は身分にかかわらず

高い教養を共有していた人々です。

天皇家、宮廷と、幕府、公家、武家、町衆と

茶の湯と、絵画と、文学と、書と・・・。

それらが一体となり、優美で「きれい」極まる文化を結実させた

こんな華やかな歴史絵巻を

時代の面からも 作品の面からも

感慨深くながめさせていただきました。

 

人間が織りなしていく展開って、なんて素敵なんでしょう。

この展覧会を通して、人間というのは風土や人びととの相関関係の中で

「生かされているのだ」ということを実感いたしました。

うーん はやくも私の今年いちばんの展覧会になりそう♡

優美で上品なものがお好きな方 おすすめです!

 

IMG_2719s-

 

IMG_E2727s-

 

この度もおしまいはサントリー美術館併設カフェより♡

この麩あんみつに叶うものなし!

加賀棒茶も香ばしい!

テーブルにある図録を眺めながら芸術ダンギと甘味

これもやめられませ~~~ん